アイデンティティは長く使うものだから、しっかり吟味!

ジェンダー・階級・アイデンティティ 中谷いずみ 青弓社ソノ ミンシュウ トワ ダレ ナノカ ナカヤ,イズミ 発行年月：2013年07月 ページ数：332p サイズ：単行本 ISBN：9784787233585 中谷いずみ（ナカヤイズミ） 1972年、北海道生まれ。

奈良教育大学教育学部准教授。

専攻は日本近代文学、国語科教育学（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです） 第1部　一九三八年、拡張する文学ー周縁の発見と包摂（「民族」の“歴史性”と「民衆」の“普遍性”ー島木健作『生活の探求』、火野葦平『麦と兵隊』／周縁を表象する書き手たちー豊田正子『綴方教室』、火野葦平『麦と兵隊』／「少女」たちの語りのゆくえー太宰治「女生徒」「千代女」とその周辺）／第2部　一九五〇年代、綴る／語る女たちー発話の政治性あるいはマジョリティ形成とアイデンティティ（「人民文学」と“書くこと”ー階級的視点と国民文学論／「私」を綴る「人びと」ー一九五〇年代における「綴方」／泣く「女」たちー「平和」の語りとジェンダー／“未来”の諸相ー原水爆禁止署名運動とジェンダー／“無色”な主体のゆくえー「声」の承認をめぐって） 1930年代と50年代、それは人々が主体性に目覚め、闘争や自己表現を集団で企てた時代だったー戦争文学から綴方運動、女性運動、原水爆言説を議論の対象にして、民衆・農民・兵士・女・プロレタリアという人々を括るカテゴリーがもつ意味や、それを自らのものとして引き受けて多様な表象行為を企てる人々のありようをジェンダーやアイデンティティなどの視点から解きほぐし、“民衆”の今日的な可能性に迫る。

本 人文・思想・社会 文学 文学史(日本） 人文・思想・社会 文学 その他